初心者向け
クラフトビールの基礎知識
クラフトビールとは?
「クラフトビール」(地ビール)とは、
小規模メーカーによって製造された、個性あふれるビールのこと。
日本では、酒税法によりビールの製造が大手メーカーにしか
事実上認められていませんでしたが、1994年4月に酒税法が改正され、
小規模な事業者もビールを製造することが可能になりました。
この規制緩和により、全国各地にいわゆる「クラフトビール」(地ビール)が
続々と誕生しました。(参照:JBA公式サイト)
クラフトビールの種類
ビールの種類は、大きく分けて2つ。それが、「ラガー」と「エール」です。
どの酵母(イースト菌)を使用するかによって、ビールの種類が決まります。
- ラガー
- エール
ピルスナー
スッキリとした味わいと、ホップの苦味が特徴。世界で最もよく飲まれているラガービール。
- 発祥地
- チェコ
- ホップ感
- ★★★★☆
- モルト感
- ★★☆☆☆
- 甘味
- ★☆☆☆☆
- アルコール度数
- 4~5%
シュヴァルツ
濃厚そうな見た目に反し、実はシャープでスッキリとした味わい。日本で流通している“黒ビール”のほとんどは、このシュヴァルツです。
- 発祥地
- ドイツ
- ホップ感
- ★★★☆☆
- モルト感
- ★★★★☆
- 甘味
- ★☆☆☆☆
- アルコール度数
- 4~6%
メルツェン
ホップ感が少なく、クリーンでドライな後味が特徴。3月に仕込みをして、秋の収穫期に飲み干すため、“オクトーバーフェスト”とも呼ばれます。
- 発祥地
- ドイツ
- ホップ感
- ★★★☆☆
- モルト感
- ★★★★☆
- 甘味
- ★☆☆☆☆
- アルコール度数
- 5~6%
ボック
やや炭酸強めで、濃い色が特徴。モルトが生み出す、トーストやナッツのような風味を楽しんでみてください。
- 発祥地
- ドイツ
- ホップ感
- ★☆☆☆☆
- モルト感
- ★★★★★
- 甘味
- ★☆☆☆☆
- アルコール度数
- 5~6%
ラオホ
ブナの木でスモークしたモルトを使った燻製ビール。焼いたハムの味とも表現されるスモーキーさですが、甘味も感じられる独特な味わい。
- 発祥地
- ドイツ
- ホップ感
- ★★☆☆☆
- モルト感
- ★★★★★
- 甘味
- ★☆☆☆☆
- アルコール度数
- 4~7%
ヴァイツェン
小麦を50%以上使用した“白ビール”。フルーティーで苦味がほとんどなく、日本でも人気のスタイルです。ビールが苦手な人にもおすすめ。
- 発祥地
- ドイツ
- ホップ感
- ★☆☆☆☆
- モルト感
- ★☆☆☆☆
- 甘味
- ★★★☆☆
- アルコール度数
- 4~7%
ベルジャン・ホワイト
オレンジピールの甘さとコリアンダーシードのスパイスが生み出す、さわやかな風味が特徴。発芽していない小麦と大麦を混ぜているので、ほのかに酸味もあります。
- 発祥地
- ベルギー
- ホップ感
- ★★☆☆☆
- モルト感
- ★★☆☆☆
- 甘味
- ★★☆☆☆
- アルコール度数
- 4~5%
アンバーエール
高温で焦がしたモルトにより、明るい琥珀色から褐色をしているのがポイント。甘いカラメルのような風味が感じられる、比較的マイルドなビール。
- 発祥地
- アメリカ
- ホップ感
- ★★★☆☆
- モルト感
- ★★★☆☆
- 甘味
- ★★☆☆☆
- アルコール度数
- 4~5%
ブラウンエール
黒や茶色の麦芽を多く使い、モルト感を効かせたビール。苦味がほとんどないため、ビール初心者におすすめ。
- 発祥地
- イギリス
- ホップ感
- ★★☆☆☆
- モルト感
- ★★★★☆
- 甘味
- ★★★☆☆
- アルコール度数
- 4~6%
セゾン
フルーティーで、ほんのりとした酸味があるのが特徴。ブルワリーによってさまざまな味が作られています。
- 発祥地
- ベルギー
- ホップ感
- ★★☆☆☆
- モルト感
- ★★☆☆☆
- 甘味
- ★★★☆☆
- アルコール度数
- 5~8%
ペールエール
モルトとホップの強烈な苦味の中に、フルーティーさが感じられます。アメリカでのクラフトビール人気の火付け役。
- 発祥地
- イギリス
- ホップ感
- ★★★★☆
- モルト感
- ★★★★☆
- 甘味
- ★★★☆☆
- アルコール度数
- 4~6%
IPA
ホップの苦味と香りが強く出ていて、コク深い味わいが特徴。ペールエールの苦いバージョンといった感じ。
- 発祥地
- イギリス
- ホップ感
- ★★★★★
- モルト感
- ★★★☆☆
- 甘味
- ★★☆☆☆
- アルコール度数
- 5~7%
ポーター
ローストされた麦芽が香ばしく、濃厚でしっかりとした味わい。チョコレートのような苦さと甘さを併せ持っています。
- 発祥地
- イギリス
- ホップ感
- ★★☆☆☆
- モルト感
- ★★★★☆
- 甘味
- ★★☆☆☆
- アルコール度数
- 4~6%
スタウト
ローストされた大麦の、濃厚で苦味のある味わいが特徴。深煎りのコーヒーのようなロースト感の中に、チョコレートやナッツのような風味が感じられます。
- 発祥地
- イギリス
- ホップ感
- ★★★☆☆
- モルト感
- ★★★★★
- 甘味
- ★★★★☆
- アルコール度数
- 3~5%
ベルジャン・デュッベル
麦汁を多く使用した、アルコール度数が高めのビール。フルーティーさの中に、濃厚なモルトの甘味を感じられます。
- 発祥地
- ベルギー
- ホップ感
- ★★☆☆☆
- モルト感
- ★★★★☆
- 甘味
- ★★★★☆
- アルコール度数
- 6~9%
ベルジャン・トリペル
デュッベルよりも麦汁が多く使われており、アルコール度数も高め。バナナのようなフルーティーさとスパイシーな風味を感じられます。
- 発祥地
- ベルギー
- ホップ感
- ★★★★☆
- モルト感
- ★★★☆☆
- 甘味
- ★★★★☆
- アルコール度数
- 8~12%
スコッチエール
アルコール度数が高く、リッチなフルボディの味わい。カラメルのフレーバーが口の中に飛び込んできた後、ほんのりとスモーキーな甘さが広がります。
- 発祥地
- スコットランド
- ホップ感
- ★☆☆☆☆
- モルト感
- ★★☆☆☆
- 甘味
- ★★☆☆☆
- アルコール度数
- 6~8%
バーレーワイン
バーレー(大麦)を長時間熟成させた、濃厚なフルボディが特徴。甘味が強くトロッとした味わいです。
- 発祥地
- イギリス
- ホップ感
- ★★☆☆☆
- モルト感
- ★★★★★
- 甘味
- ★★★★☆
- アルコール度数
- 8~12%
クラフトビールの楽しみ方
こだわりのクラフトビールを味わうなら、その魅力を存分に味わいたいもの。
そこで、クラフトビールをじっくりと味わうコツを紹介します!
ピルスナーグラス
ビールが口にダイレクトに入ってくるため、泡を楽しめる
ヴァイツェングラス
泡が長持ちする
パイントグラス
泡持ちが良い
チューリップグラス
鼻がグラスに入るため香りを楽しめる
IPAグラス
グラス下部の波状の部分が、グラスを傾けるたびに新しい泡を生み出す
タンブラーグラス
ビールが温まりにくい
フルートグラス
香りを逃しにくい
ゴブレットグラス
飲み口が広いためビールの香りを味わいながら楽しめる
シュタンゲ
ケルシュ専用の棒状グラス
スタウトグラス
スタウトの深い風味が持続
タンガード
ごくごくと飲むのに最適
パウエル・クワック
グラス
なかにはこんな個性的なグラスも!
ビールとグラスの相性
グラスの形によって、引き出せるビールの魅力もさまざま。
それぞれのビールに合うグラスの種類を参考にしてみてください。
色で合わせる
食べたいものを決めてから、その色に近い色のビールを合わせてみても、
ビールの色に合わせて食べ物を選んでみても良いでしょう。
また、時には反対の色どうしを合わせてみると、意外な発見があるかもしれません。
国で合わせる
ビール大国には、その国を代表する食べ物があります。
同じ国で生まれたビールとフードは、合わないはずがありません。
同じ味を合わせる
異なる味を合わせる
書籍紹介
クラフトビールについてもっと知りたい方は、
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藤原ヒロユキ プロフィール
https://www.jbja.jp/archives/author/fujiwara日本ビアジャーナリスト協会
https://www.jbja.jp参考書籍
【クラフトビールの種類】 【クラフトビールの楽しみ方】は
こちらの書籍を参照しています。
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